この記事では運悪く、色移りをしてしまった時の色の落とし方・漂白方法について解説しています。
色移りをしてしまうとその色を落とすのはなかなか大変なケースもあるため、出来るだけそのようなことにならないような予防策まで紹介しています。
色移りをもとに戻したあとはぜひ予防策も日々の洗濯の中に取り入れてみてください!
※本記事で紹介している商品にはPR商品を含みますがランキング・コンテンツ内容はラクリー編集部調査をもとに作成しています。また本記事内の情報は一般的な知識であり、自己判断を促すものではありません。 |
【注意】色移りの落とし方を実践する前に知っておきたいこと!
ネット上ではいろいろな色移りの落とし方が紹介されていますが、その方法を鵜呑みにして漂白剤を使用したりすると逆に脱色や変色を引き起こしてしまう可能性があります。
色移りの色を元通りきれいに戻したい!!・・そう考えているのにさらに悪化させてしまったらとても悲しいですよね。
そのようなことが無いように以下の3つの点をしっかりと確認したうえで行う事が大切です。
(1)漂白に関する洗濯表示をチェックしよう!
分類 | 表示 | 意味 |
新表示 | 塩素系および酸素系による漂白処理ができる | |
酸素系漂白剤はOK。塩素系漂白剤はNG | ||
漂白処理はできない | ||
旧表示 | 塩素漂白剤による漂白処理ができる(酸素系も可) | |
塩素系漂白剤による漂白はできない |
色落ちの落とし方としてたくさん紹介されているのが酸素系漂白剤、塩素系漂白剤、また還元型漂白剤を使った方法です。
漂白剤はただしく使えば効果的ですが誤った使い方をすると衣類を逆に傷めます。前述したとおり逆に脱色してしまう・・というトラブルにもつながりかねません。
衣類の洗濯表示と、実際に使用する漂白剤の説明をしっかりチェックしてから使いましょう。
(2)漂白剤や洗剤を使う場合は色落ちテストをしよう!
塩素系漂白剤 (例:花王ハイター) |
原液を水で10倍に薄めた液を付けて5分後に変色の有無を確認 |
---|---|
酸素系漂白剤 (例:花王ワイドハイターEX) |
原液をしみこませすぐに洗剤液をつけて5分後に変色の有無や白い布に色移りの有無を確認 |
中性・弱アルカリ洗剤 | ティッシュ等に染み込ませた原液をつけて5分後に変色・色移りの有無を確認 |
衣類の染色状態によっては漂白剤や洗剤で色落ちをする可能性もあります。目立たない場所で色落ちテストを行いましょう。
色落ちテストの仕方は必ず各製品ラベルに記載されています。実際に使用する製品をチェックしてみてください。
(3)天然繊維の色移りは基本的に漂白剤の使用は控える
ウールやカシミヤ、シルク、毛皮、本革、その他天然の繊維を使った衣類は漂白はできないものと考えておきましょう。洗濯表示をみれば漂白処理ができないマークがついているはずです。
以上の3つのことをチェックすることで安心して試すことができます。悪化させないためにぜひ参考にしてみてください。
洗濯で色移りしてしまった場合の5つの落とし方!
ではここから実際に色移りの方法を解説していきます。前述したとおり衣類によっては行えない方法もあります。
それぞれの衣類についている洗濯表示を読み解いてから行いましょう。
(1)50℃のお湯と弱アルカリ性洗剤を使った色移りの落とし方
- 容器に衣類が浸かるぐらいのお湯(50℃前後)を張る
- お湯に粉末の弱アルカリ性洗剤を規定量の2,3倍入れて溶かし込む
- 衣類を入れてつけ置きをする
- 洗濯機洗いが可能な衣類はそのまま洗濯をして完了
染料の多くは熱を加えることで溶け出る性質があります。色移りして間もない衣類の場合、色が定着する前に50℃程度のお湯につけ込むことで色移りを落とすことができます。
その際には洗浄効果の高い粉末の弱アルカリ性洗剤を使うとより効果的です。綿や麻、レーヨン、キュプラ、ポリエステル、ナイロン、アクリルなどの化学繊維に適しています。
ウールやカシミヤなどの獣毛繊維、天然繊維にはおしゃれ着用中性洗剤を使いましょう。
(2)重曹と酸素系漂白剤を使う色移りの落とし方
- 容器に衣類が浸かるぐらいのお湯(40~50℃前後)を張る
- お湯に重曹と酸素系漂白剤を入れて混ぜる
- 衣類を入れて30分ほどつけ置きをする
- 洗濯機洗いが可能な衣類はそのまま洗濯をして完了
洗濯や掃除で大活躍する重曹と酸素系漂白剤をつかった落とし方です。40~50℃前後のお湯に重曹と酸素系漂白剤を混ぜて落としていきます。
そのまま約30分ほどつけて置くことで色移りの染料を落とすことができます。重曹は衣類に残ると時間の経過とともに黄ばみの原因になるので、しっかりとすすぐようにしましょう。
(3)オキシクリーンを使った色移りの落とし方
- 容器に衣類が浸かるぐらいのお湯(40~50℃前後)を張る
- オキシクリーン
- 衣類を入れて30分ほどつけ置きをする
- 洗濯機洗いが可能な衣類はそのまま洗濯をして完了
容器に40~50℃前後のお湯を張り、弱アルカリ性洗剤とオキシクリーンを混ぜて溶かし込みます。お湯を使うのはほかの方法同様、活性化するためです。
オキシクリーンのつけ置きが終わりましたらそのまま洗濯をします。
(4)ワイドハイターなど漂白剤や洗剤のつけ置きによる色移りの落とし方
分類 | 表示 | 意味 |
新表示 | 塩素系および酸素系による漂白処理ができる | |
酸素系漂白剤はOK。塩素系漂白剤はNG | ||
旧表示 | 塩素漂白剤による漂白処理ができる(酸素系も可) |
上記の洗濯表示が付いているものは、塩素系、あるいは酸素系漂白剤ができます。広範囲にわたって色が移ってしまっている場合、衣類ごとつけ置きするのが効率的です。
つけ置き方法はそれぞれ使用する漂白剤の方法に従って行いましょう。例として以下に酸素系・塩素系漂白剤の手順をご紹介しています。
酸素系漂白剤(例:花王ワイドハイターEXパワー)
- 酸素系漂白剤の規定量をぬるま湯に溶かしこむ
- 約30分程度つけ置き
- 洗濯機洗いが可能なものはそのまま洗濯
- 手洗いのものは水でしっかりとすすぐ
酸素系の漂白剤は水洗いができる「白い衣類・色柄もの」の両方に使えるので塩素系よりは比較的安心して使える漂白剤です。
木綿や麻、ポリエステル・ナイロンなどの化学繊維をはじめ、ウールやシルクにも使えるのでそれらの色移りを落としたい方におすすめです。
塩素系漂白剤(例:花王 ハイター)
- 塩素系漂白剤の規定量をぬるま湯に溶かしこむ
- 約30分程度~2時間のつけ置き
- 洗濯機洗いが可能なものはそのまま洗濯
- 手洗いのものは水でしっかりとすすぐ
塩素系は色柄物には使えない代わりに白い衣類の漂白に高い効果を発揮してくれます。素材としては木綿・麻・ポリエステル・アクリルでできた無地の白い衣類が対象です。
皮膚につくと肌あれを起こすので必ずゴム手袋をして行いましょう。
(5)通常の2倍の濃さの洗剤で再度洗う
色移りしてしまった場合は、洗剤の裏に記載されている量の2倍の濃さにして洗うと、色移りを落とすことができます。
アルカリ性の洗剤、または粉末洗剤は特に洗浄力が高いのでおすすめです。
また、洗剤がのこりやすいのですすぎを十分に行い、必ず2回以上は行いましょう。
色移りして時間が経ってしまった場合は落とすのは困難・・
色移りして完全に乾いた衣類には染料が定着してしまっています。ご紹介してきた上記の方法で消える場合もあれば薄くなるだけで完全には消えない場合も・・。
特に大切にしている思い入れの強い服の場合は、無理をすると生地自体が傷んでしまうのでそんな時には無理をせずに一度クリーニング店に相談するのもおすすめです。
クリーニング代+別途費用で色修正代がかかりますが、場合によっては色付けをしてくれてほぼ分からない状態に仕上げてもらうこともできます。
とはいえクリーニング店でも生地を傷めるリスクが高いので断られてしまうこともありますので、色修正メニューを用意している技術力のあるクリーニング店に依頼するのが安心です。
色移りをしないための10の予防・防止策とは?
色移りのほとんどは洗濯前の少しの手間で予防ができます。ここでは防止するための方法を紹介していきます。
(1)色の濃いものと白い物は分けて洗う
- 白い衣類
- 色柄の濃い衣類
- 色柄の薄い衣類
- 汚れがひどいもの
上記の分類はあくまで理想ですので、実際に日々の洗濯の中で行うことは現実的ではないかもしれません。
ただし色移りリスクを考えると、色の濃いものと白い物は分けて洗うのがもっとも効果的です。これはプロのクリーニング店でも行われていて色移りのリスクを限りなく下げる方法です。
(2)新しく洗う服は使う洗剤で色落ちテストをする
新しく購入して初めて洗う色柄の濃い衣類はいつも使用している洗剤で色落ちテストを行うようにしましょう。
色落ちテストが面倒な場合は、1,2回は単独で洗うといった予防策もあります。
(3)洗剤は直接衣類に触れないようしっかり溶かし込んでから
粉末洗剤が直接衣類に付いた状態で洗濯をすると色落ちや色移りの原因になります。水にしっかりと溶かしこんだ状態で使うようにしましょう。
また、白い物をより白くする「蛍光増白剤入り」の洗剤・柔軟剤は色が落ちてしまう場合もあります。使用する洗剤にも注意しましょう。
(4)色落ちしやすい素材・染色方法の衣類は単独で洗う
- デニム・ジーンズ
- 木綿
- 草木染めなどの天然染料を使った衣類
- ラクトボタン(牛乳由来の装飾ボタン)
色移りのリスクの高い衣類としてはやはりデニムやジーンズです。これらは頻繁に洗うものではないので単独で洗う等をすれば色移りを予防することが可能です。
ただし雨に濡れたジーンズなどとほかの衣類が触れることでも色が移るので、日々の取り扱いには配慮する必要があります。
それ以外には草木染めなどの天然染料を使った衣類は基本的に色落ちします。これらもはじめは単独洗いが安心です。
ある程度、色が落ち切ればその後は一緒に洗っても移ることはありません。
(5)洗濯ネットを使って色移りを抑える
染料が出来るだけ触れないようにするには、洗濯ネットを使う方法も効果的です。縦型洗濯機でもドラム式でも一緒に洗う衣類は必ず接触します。
色柄ものだけ洗濯ネットに入れたり、逆に白い衣類だけ洗濯ネットに入れるなどして分けましょう。
(6)濡れたままの衣類同士を放置しない
洗濯を終えたあとの衣類、雨に濡れたままの色柄物の衣類と、色の薄い衣類が接すると色が移る可能性があります。
濡れた状態の衣類が長時間接触しないように注意しましょう。
(7)温度の高いお湯で洗うと色落ちリスクが高い
水よりもお湯のほうが汚れ落ちと洗剤の洗浄効果が活性化する為、洗濯にお湯を使う方という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ただ熱で染料が溶け出す場合もあるので、お湯を使う際には色落ちリスクが高まることを知っておきましょう。
(8)色移り防止グッズを活用する
市販の色移り防止グッズを活用するのも方法のひとつです。
例えばカラー&ダートコレクター色移りシートは、色物と白い衣類を一緒に洗ったとしても、このシートが色落ちした染料をキャッチしてくれるのでわざわざ分別して洗う必要がありません。
(9)中性洗剤を利用する
洗剤には「酸性」「中性」「アルカリ性」と性質の違いで種類がありますが、色移りさせないためには中性洗剤がおすすめです。
おしゃれ着用洗剤などの多くが中性洗剤です。
アルカリ洗剤に比べると洗浄力は落ちてしまいますが、色合いや風合いをキープしながら汚れを落とすことができます。
ただし、泥汚れなどの汚れが強い場合などは洗浄力の高い、弱アルカリ性の洗剤をつかうなど使い分けが大切です。
(10)クエン酸・塩の力をかりて色止めをする
ジーンズなどの色落ちが激しいアイテムには、クエン酸や塩を利用することで繊維と染料の結びつきを強くし、使用すると色止めの効果があります。
クエン酸が、やり方は簡単で、500mlの水に対して25㏄(大さじ1.5杯ほど)のお酢(クエン酸)を入れて、柔軟剤の投入口に入れるだけです。
また、塩に含まれるマグネシウムやカルシウムも色落ちを防ぐ効果があります。1リットルの水に対しておおさじ1杯が目安です。
さらに効果を高めるためには、30~40分ほどつけ置きをしてから洗濯するのがおすすめです。
【原因は?】そもそもなぜ色移り・色落ちを起こすの!?
洋服の色は、天然染料、顔料、化学染料の大きく3つの染料で染められています。この中で化学染料がもっとも色落ちがしづらいため幅広い衣類に使われています。
色落ち・色移りに対する強さ、染色の強さの基準として、染色堅牢度(せんしょくけんろうど)という等級があり、それぞれの洋服ごとに差がでますがこの染色堅牢度は購入時に知ることはなかなか困難です。
藍染めや草木染めなどの天然染料のものは色落ちしやすいというのは理解しておくと良いでしょう。
洗濯物が色移りを起こす原因3つ
色移りは色の濃いアイテムやジーンズなどの染料が水に溶けだしてしまい、その染まった水で他の衣類と一緒に洗ってしまったり、濡れた状態でこすれたりすることでおきます。
色移りで一番多い原因は3つあります。
- 染料が水に溶けだした状態で一緒に洗った衣類にうつる
- 脱水時の飛び散り
- 濡れた状態での擦れ
水に溶けだした染料が他の衣類にくっつくことで、色移りが起こります。急な雨の時の鞄やアウターからの色移りなど、注意が必要です。
色移りが起こった時は、すぐに対処することで色移りが定着をふせぐ事ができます。
まとめ
色移りをしてしまった場合の落とし方・漂白方法についてご紹介してきました。色移りはこちらで解説したようにいくつか洗う前に注意をすることで防ぐことができます。
忙しい毎日の洗濯の中ではどうしても面倒に感じてしまうようなこともありますが、色移りを落とす労力に比べればそこまで手間ではありません。
ちょっとの手間でお気に入りの洋服をきれいなまま長く着ることができます。ぜひ参考にしてみてください。
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