「シルク100%のネクタイって自宅でも洗えるの?」
「ネクタイってどうやって洗うの??」
「アイロンがけで注意すべきことはなに??」
ネクタイはスーツ着用時の顔になるアイテム。新品の時には色も鮮やかで気に入って買ったのに、気づくと黒ずんでパッとしない印象に・・。
ネクタイというと洗うというイメージがあまりないのですが、食べこぼしや飲みこぼし、ホコリなどがたまっていて実は汚れています。
ネクタイは基本的に洗えないもの・・とつい最近まで思っていました。
でも取扱い絵表示で自宅洗い不可と書いてある衣類を自宅で洗っていく中で、ネクタイも自宅で洗えるはず!と感じ、今回実際にシルク100%のネクタイの自宅洗いに挑戦してみました!ネクタイを自宅で洗いたい!と考えている方はぜひ参考にしてみてください。
※本記事で紹介している商品にはPR商品を含みますがランキング・コンテンツ内容はラクリー編集部調査をもとに作成しています。また本記事内の情報は一般的な知識であり、自己判断を促すものではありません。 |
そもそもネクタイは自宅で洗濯できるの?
ネクタイについている取り扱い絵表示を見るとほとんどのものが以下のように「家庭での水洗い不可」マークがついています。
旧表示 | 新表示 |
水洗いはできない | 洗濯処理はできない |
塩素系漂白剤は使えない | 漂白処理はできない |
120℃までの低い温度でのアイロン掛け。 (波線は当て布必須) |
底面温度110℃までの温度でのアイロン仕上げ。 |
ドライクリーニングができる。 | パークロロエチレン・石油系溶剤でのドライクリーニングができる |
私が持っているネクタイのほとんどは手洗いができずにクリーニングのドライクリーニングを推奨しています。
取扱い絵表示に手洗い不可のマークがついていたとしてもポイントをおさえていれば自宅で洗うことも可能です。
ここからは実際に家庭での水洗いがNGとされるシルクのネクタイを洗っていきたいと思います!
ネクタイを自宅洗いする前に事前に知っておきたい注意点!
取扱い絵表示を見ると、取扱いに関する表示だけではなく使われている素材・繊維も記載があります。
まずはネクタイに使われている素材の弱点だけでも知っておくのが良いでしょう。
ネクタイに使われる素材の特性
素材 | 洗濯の際に気を付けたい点 |
ウール | 水に弱い・縮み(フェルト化)・摩擦に弱い |
シルク | 水に弱い・摩擦・熱・縮みやすい・色落ちしやい |
カシミヤ | ウールよりもデリケート |
麻 | シワになりやすい・色落ち・毛羽立ち・摩擦に弱い |
コットン | 水に強い・縮むこともある・毛羽立ち |
ポリエステル | 熱に弱い・シワになりにくい・光沢がある・摩擦に強い |
レーヨン | 水に弱い・シワになりやすい・縮みやすい |
ネクタイに使われることの多い素材は主に上記のような特性があります。どの素材も洗濯する際に気を付けなくてはならないことはおおよそ同じです。
その為、これはやったらダメ!という点にだけ気を付ければ、自宅洗いで失敗することもありません。
- 摩擦を与えない!
- 色落ちに注意する!
- 型崩れ・ヨレ・シワがつかないように優しく扱う!
- アイロンの熱に注意する!
- 水洗いするたびに繊維には少なからず負荷がかかる!
- 高級品・デリケート品はプロに依頼する!
手洗い不可表示のシルク100%のネクタイを洗っていきます!
ここからは実際にシルク100%で洗濯不可マークのついたネクタイを自宅で洗っていきます。
1. 事前に準備しておくもの
- 桶など・・・洗面所・浴槽でも可
- 中性洗剤・・・エマール等のおしゃれ着用が◎
- シミ落としの魔法水・・シミがある場合
- ティッシュ・・色落ちテストの際に使用
- スチームアイロン・・アイロン掛け
- 当て布・・・アイロン掛け用
- アイロン台・・・アイロン掛け用
2. 目立たない場所で色落ちテストを行おう!
ネクタイは特に少しでも色が変わるとデザインに違和感を感じてしまいます。その為、使う洗剤・シミ抜き剤は共に目立たない場所で色落ちテストを行いましょう。
ネクタイの裏側の目立たない場所であれば、万一色落ちしたとしても見えません。
色落ちテストの方法については、スーツの洗濯の記事内と同じ方法です。併せて参照ください。
3. ネクタイに目立つシミが付いている場合はスポットでシミ抜きをしておく!
ネクタイには食べこぼしや飲みこぼしなどの汚れが付いている場合がほとんどです。
あまりにも目立つしみは、事前に部分的にシミ抜きをしてから全体を洗うようにしましょう。
なおこちらで使っているシミ抜き魔法水の作り方は以下の記事で詳しく解説しています。
なお魔法水を使う際にも必ず色落ちテストを行いましょう。
歯ブラシにシミ抜き魔法水をつけて軽く叩く
今回は人工的にしょうゆのシミをつけています。しょうゆ以外にもミートソースやラーメンの汁の飛び跳ねなどなど様々な汚れがついていることがあります。魔法水はそういったシミの種類を問わず落とせるのでシミ抜きも楽チンです。
シミ抜きが終わったらそのまま全体を水洗いしていきます。
洗濯桶に中性洗剤エマールを溶かした水を張り、5分程度つけ置きする
使う容器のサイズに入るように折りたたみ、水のなかに沈めます。5分程度浸け置きをすることで、中性洗剤に含まれる界面活性剤がネクタイの汚れを剥がしやすくしてくれます。
押し洗いもやさしく行うのであれば問題ありませんが、軽くゆする程度にすれば摩擦をほぼ与えることなく洗いあげることができます。
すすぎ
すすぎの際にこすったりしないように注意しましょう。洗剤の泡が出なくなるぐらいまで綺麗な水ですすいでいきます。
4. タオルに挟んで水を切る(タオルドライ)
乾いたタオルにネクタイを挟んでタオルに水を吸わせて乾かします。
素早く乾かしたい場合は、上からタオルごと押すと水が切れやすいです。洗濯機の脱水はヨレヨレシワシワになる可能性があるので、使わないようにしましょう。
5. アイロン掛け
ネクタイは裏側からスチームを当ててアイロンがけをしていくのがおすすめです。
まだ湿っているぐらいの半乾き状態でアイロンがけをすると、シワが伸びやすくなります。
また湿っているためアイロンの温度の影響を和らげてくれる働きもあります。
ネクタイについているアイロンの取り扱い絵表示を確認すると、「低」となっているので低温度設定でアイロンをかけていきます。
なおアイロンをかけるときは当て布が必須です。アイロンの温度は表示を確認すると良いでしょう。
ポリエステルは熱に弱い素材です。高温にあてられると生地が溶けてしまい、見た目が悪くなりかねません。
ネクタイの洗い過ぎは禁物?どれぐらいの頻度が良いの?
もともと水に弱い素材なので、あまり頻繁に洗濯をするのは控えましょう。その点、クリーニング店でのドライクリーニングは水を使わず繊維を傷めないため自宅洗いと併用するのもおすすめです。
ネクタイを自宅で洗濯した感想
今回は水洗いが難しいとされるシルク100%のネクタイを洗ってみました。洗った後は確かにヨレや型崩れが多少起こります。
ただその後の乾燥・アイロンでシワは復元できるので正しく行えば全く問題なく洗うことができました。初めて洗う際には不安になるかもしれませんが、1度洗ってみるといつでも好きな時に洗うことができます。
ただし本来水に弱い素材なので、汚れたからといってすぐに洗うのはあまりおすすめできません。その為、出来るだけ汚れないように日々のお手入れが大切になります。
大切なネクタイはプロを依頼したい!クリーニング料金相場は?
自宅での洗い方をお伝えしてきましたが、高級品や大切なネクタイはプロに依頼するのがやはり安心です。クリーニングに出した場合、おおよそ1本あたり以下のような料金となるお店が多いようです。
通常 | 高級品 |
440円(税込)前後~ | 800円前後~ |
一般的なネクタイであれば1本あたり440円(税込)前後のところが多いです。中には300円を切るような価格のお店もあります。
高級ブランド品や高級素材が使われたネクタイは、通常の倍程度かかるところもあります。仕上がり日数は他の衣類と変わりません。各お店の最短納期でも大丈夫なことが多いです。
なお別途シミ抜きを依頼する場合はシミ抜き料金と日数もかかるので事前に確認をしましょう。また撥水加工オプションもネクタイの汚れをつきづらくするのにとても効果的です。
永くきれいに使いたい!日々のネクタイのお手入れ方法は?
ネクタイのお手入れで気にすべきことはそう多くありません。
ネクタイのお手入れ①毎日の着用で付くホコリやチリなどを払い落とす
ホコリやチリ、砂などが入り込んでしまいます。そういったホコリなどの汚れに汗や手汗、皮脂、また排気ガスに含まれる油分が混じると汚れが固着し、スーツの黒ずみや色がトーンダウンしたような状態になります。
ネクタイのお手入れ②結び目部分を解いたあとは、手で形を整える
結び目はほぼ見える部分ではないのでそこまで気にする必要もありませんが、強くヨレてしまっている部分は手で形を整えてから保管するようにしましょう。
ネクタイのお手入れ③同じネクタイを連日使わないこと
ネクタイは想像以上に摩擦を受けています。その為、1日使ったら2,3日程度の間隔を開けて使うようにするのがおすすめです。
ネクタイのお手入れ④撥水スプレーも効果的!
ネクタイに付く汚れの多くは、食べこぼしや飲みこぼしです。この2つをつきづらくする撥水スプレーはたまにかけると良いです。
ネクタイの3つの保管方法!それぞれのメリット・デメリットは?
ネクタイはハンガーに吊るす、丸める、平置きにするといった3つの保管方法があります。ここではそれぞれの保管方法のメリットとデメリットについてまとめました。
1. ハンガーに吊るす
メリット
- 丸めたりする手間がなくラクちん
- 専用ハンガーだと大量に吊るすことができる
- 自重でシワが多少取れる
デメリット
- ニットネクタイ等では自重で伸びてしまうことも・・
帰ってきてネクタイを解いてからすぐにハンガーにかけるだけなので吊るして保管している方も多いのではないでしょうか。ただしニット系のネクタイや伸びやすい素材のものは自重で伸びてしまうこともあります。
2. 丸めて収納する
メリット
- 綺麗に収納できて省スペース
- 折りじわがつきづらい
- 取り出しやすく選びやすい
デメリット
- 丸める手間がかかり面倒
ハンガーにかけるより伸びづらく、折りじわができづらいのがネクタイを丸める保管方法。収納スペースに綺麗に同じサイズの丸くなったネクタイが詰まっているので、選びやすく出しやすいです。
ただし、疲れて帰ってきたときに丸める手間がストレスになることも・・・。
3. 平置きで保管
メリット
- 丸めるよりは折りじわがつきづらい
- 保管する手間がかからない
- 柄を選びやすい
- 紳士服ショップのようなおしゃれさが演出できる
デメリット
- ホコリが付く面積が広い
- 平置きできるスペースが必要
- 長期間保管すると折りじわが付くことも
紳士服ショップのディスプレイのような見た目でおしゃれさもある平置き収納。収納スペースをとるので収納に困っている人には向きません。
引き出しやカバーをかけないとホコリが全体的に付くので布をかけるなどすると良いでしょう。
ネクタイの臭いが気になる場合はスチームアイロンを活用!
汗や焼肉などの臭いが気になる時にもスチームアイロンの蒸気で対応します。汗はもともと水に溶ける水溶性の汚れです。蒸気に含まれる水分で汗を飛ばすことができます。
結び目につきやすい汗は固く絞った蒸しタオルでやさしく拭き取る!
春から夏にかけて首元にたまる汗はネクタイにも少なからずつきます。気になる場合は、水に濡らしたタオルを電子レンジで温めて拭き取るのもおすすめです。
その際にはゴシゴシと強くこするのではなくやさしく拭き取るようにしましょう。
まとめ
取扱い絵表示の水洗い不可のマークを見ると洗ってはいけないように感じますが、実際には摩擦などに気を付ければ問題なく洗えます。
ただし水に弱く型崩れが気になる素材でできているネクタイは、水洗いによって少なからず傷みます。その為、頻度は少なくてもクリーニング店でドライクリーニングをするほうが繊維へのダメージは抑えられます。
ここではネクタイの自宅洗いの方法を解説しましたが、プロのクリーニング店との併用をしてネクタイをキレイに永く使ってください。ぜひ参考にしてみてくださいね!
ジュニア洗濯ソムリエとして洗濯やクリーニングについての知識を読者様に発信しています。宅配クリーニング全30社を実際に利用し仕上がり・サービス・コスト比較などユーザー目線と宅配クリーニングマニア目線でわかりやすく解説します。
クリーニングしたい衣類の引取りからお届けまで自宅にいながら完結できる宅配クリーニング。
たくさんある宅配クリーニングサービスの選び方から価格が安いお店まで徹底比較しました。お店選びの参考にしてみてください。